在宅ホスピスとは?
仕切りライン
 ある患者さんと家族の方が、がんの末期状態で入院療養から、今後は自宅で療養、介護したいのですと相談に来られました。
 がん告知がほぼ実施され、入院での医療の限界が示された後、患者さんの選択の一つとして

「家に帰り、家族と共に療養生活をしながら人生を全うする」

が考えられ、それを援助することが在宅ホスピスの目的であります。
では、具体的に実践の内容を示します。

@導入期:
まず、外来にて現在の状況、症状の安定度、危険度、告知の内容を把握します(前医の紹介状があればより分かりやすい)。次に、今後について患者本人の希望や家族の希望を聞き、緩和治療の方針を決めます。さらに、家族の介護力(主体は誰で、他に誰が補佐できるのか)を判断し、無理なときは後方病院への入院を勧めます。
Aケアの開始:
在宅ケアのチームを整えます。主治医に当方専任ナース1〜2名とほかの訪問センターの看護師1〜2名でチームを組み、患者さんの症状緩和の方針をたて、一方、介護ヘルパーにも情報を提供し、患者、家族が安心して送れる療養生活を継続します。
B安定期:
訪問診療は週に2〜3回、医師も看護師も携帯電話等にて24時間体制をとる。この時期には、いろいろな合併症や精神症状、家族の燃え尽き症候群(一生懸命介護しすぎて燃え尽きてしまう)の発症にも気を配る。
Cターミナル期(1〜4週):
本人の症状が急速に悪化し、本人、家族ともに肉体、精神的なサポートをもっとも必要な時期で、疼痛の緩和も重点的に施行し、モルヒネの持続投与(皮下もしくは経静脈)も考慮。さらに、呼吸苦には在宅酸素も導入する。本人、家族の死への意識に対処し、看取りの準備に入る。訪問診療・看護は連日となり、ターミナルでは、一日2〜3回行い、臨終に備える。お亡くなりになった後は、家族とともに遺体の清拭を行う。

医療法人社団 貴昌会
岡野クリニック
理事長 岡野昌彦